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第13回珍味川柳入賞作品発表

応募作品 ペンネーム又は本名
大賞 我が家では 娘タピオカ 父キャビア 武庫川乱歩
優秀賞 世界へと 珍味スマイル シンデレラ らくちゃん
優秀賞 とびきりの 酒と珍味で 祝令和 風信子
佳作 ライフライン 電気水道 酒珍味 おいまる
佳作 二千万 ないが珍味で 良き老後 松竹梅
佳作 珍味だけ 食べて我慢の 休肝日 牛美
佳作 赴任先 珍味あったと LINEくる みちゃこ
佳作 カミカミの 珍味で脳の ストレッチ さえちゃん
佳作 インスタに 映えぬ珍味の 栄える味 高嶺の珍味さん
佳作 お手軽に 電子マネーで 珍味買い  猫背男
佳作 腹八分 うまい珍味が そうさせぬ ウミネコ
佳作 おかずにも 非常食にも なる珍味 あけまろ
佳作 御朱印と 珍味を巡る 一人旅 さごじょう

応募総数 4,089句
入賞作品 13句

選考委員会の講評

~タピオカよりキャビア~

投句数が昨年より10%余り増の4089作品に達し、選考委員として嬉しい悲鳴を上げました。作品をお寄せいただいた皆様に厚く感謝申し上げます。今年の作品の特徴として、ここ一年のいろいろな出来事をテーマにした同想同意のものが多くあることが挙げられます。令和・シンデレラ・タピオカ・増税・2000万円・日韓問題などがそうで、そのため選考に熟慮を要しました。結果として、まず一次審査で118作品を厳選、さらに二次審査で41作品と、例年より多めの作品が入賞候補に残りました。その結果を踏まえて最終選考委員会で特選以下入選13作品が決定しました。

内訳として、今年のテーマが4作品で上位を多く占め、今年に限らない流行テーマが5作品、普遍的内容が4作品と拮抗しました。

大賞の「我が家では娘タピオカ父キャビア」は、今若者中心に大もてのタピオカに、色と形の似た珍味中の珍味キャビアで対抗する父の意地のようなものがユーモラスに伝わってきて惹かれます。

優秀賞の「世界へと珍味スマイルシンデレラ」は似た表現の作品の多い中で句意の力強さが評価されます。「とびきりの酒と珍味で祝令和」は何と言っても外せない今年のテーマです。その中で「とびきりの」という表現が祝う思いを強く感じさせます。

佳作の「ライフライン」と「非常食」は相次ぐ災害に対して納得のいく作品です。「インスタ」「電子マネー」「LINE」「御朱印」などは今年と限らない流行のテーマですが、それぞれ頷ける作品です。その他普遍的な内容を詠んだ「休肝日」「腹八分」「ストレッチ」は何れも健康に関するもので、関心の強さを感じます。

余談ですが、増税で買い溜めを詠んだ作品も多く寄せられましたが、珍味は増税されません。

毎年のことながら入選率はかなり低いですが、表現に工夫を凝らして次回も是非チャレンジしてみてください。

講評 珍味川柳選考委員長 津田 暹